【3年使用レビュー】総合力の高いザック ゴッサマーギア ゴリラ

以前使用していたバルトロ65のカッチリ感と重量感がどうしても体に合わず、テント泊行く度にあちこち(特に肩と腰)を痛めてしまいつつも、2年くらいは我慢して使ってました。

ただ、思い通り歩けないし、楽しさより辛い気持ちになる事が増えてきていたので、バルトロほどかっちりしかっりした背負心地で機能豊富じゃなくていいから、もっとなんというか、自由にパッキングできて、背負心地がよく、使い勝手が良く、軽いザックはないかなーとあれもこれもと無茶な要望を詰め込めるザックを探してました。

そんな時に出会ったのが今回紹介するゴッサマーギア ゴリラというザック。

ゴッサマーギア ゴリラに乗り換え、使用し始めて約3年(約20回使用)経ったので、オススメできる点、イマイチな点、3年間テント泊メインでガンガン使ってどうなったか、記事で共有させてもらいます!

 

こんな方にオススメの記事です
  • テント泊や小屋泊まりをやってみたいけど、軽いザックを探している。
  • 軽くても背負い心地、使いやすさ、機能性は外したくない。
  • 将来的には、長期縦走や難ルートの岩場、冬山でも使えるザックが良い
  • 自分の使いやすいように少しカスタムできるザックが良い

 

Gossamer Gear (ゴッサマーギア)とは?

Gossamer Gear(以下GG) は1998年 カリフォルニア州カールスバッドで誕生しました。
ブランド名のGossamerとは蜘蛛の糸や透き通るような薄い羽を意味し文字通りGGはUL(Ultralight)のパイオニアブランドです。

創業者Glen Van Peskiが理想とする軽量で機能的なハイキングザックは話題を呼び、多くのハイカーの知るところとなりました。

2005年に現在のテキサス州オースティンに移転し製品開発拠点としています。

代表的なBackpack製品の一つである<Gorilla>は現在で5代目となり、<Mariposa>とともにGossamer Gearを代表する製品となっています。

超軽量で耐久性のある素材は現在は主にrobicのリップストップナイロンを採用しています。

GGの製品は主力製品のバックパックからテントやアクセサリーまで幅広く取り揃えています。

快適なトレイルハイキングに欠かせないブランドです。

引用元:AIFA(アイファ)official site

僕は正直このゴリラに出会うまでこのブランドの事を知りませんでした。

ただ、10年以上前の登山を始める前に離島をフラフラしようと思った時にたまたま買ったザックが、ウルトラライトの火付け役のGoLiteのザックでした。

登山を始めてからもGoLiteのザックを気に入って時々使っていたのですが、なんとGoLiteは2014年に1度幕を閉じてしまったので、別のザックを探している時に東京三鷹のHiker’s Depotのサイトでゴッサマーギアに出会いました。

当時のイメージも今のイメージも軽量をうたいながらも、フレームやパッドは比較的しっかりしているのに、容量は45Lくらい入り(実際は50Lくらいいける)、機能性、使いやすさも必要な所はしっかり残して、省く所は省き、強弱はっきりさせて、軽さと機能面を両立させているというイメージ。

従来の形にとらわれず、正しいと思った事は貫くという意志を感じる独特なデザインもアメリカのメーカーらしくて好みです。

 

そもそもテント泊装備を詰めるザックの適正容量って?

約10年間テント泊してきた自分なりの結論から言うと、冬以外のスリーシーズンは40〜45L がベストです!

30〜35Lでもやれない事はないですが、かなり切り詰めて我慢する部分が必要になってくるし、50〜60Lだと大きすぎて余計なものを入れたり、ザックの重量が増してしまうので、個人的には我慢せず、快適にテント泊や小屋泊まりするには40〜45Lのザックが個人的にはベストという現状の結論になっています。

(もちろん大量の食料やお酒を持っていくのが楽しみの方もいるので必ずではありません。)

テント泊したいなと思い、色々調べると60L程度のザックが必要って情報よく見ますよね?

ワタクシがテント泊し始めた10年前ももちろん、テント泊には60L以上のザックが必要と雑誌やブログなどで見て特に疑うことなく、60L以上のザックを探し、グレゴリーのバルトロ65を購入しました。

バルトロはフレームや生地がしっかりしており、各パッドも厚く、とても安心感ある反面、ザック自体が重いのとこうやって背負いなさいと言われているような決まった形がどうも苦手でした。

テント泊を始めた当時は山道具はかさばり、重いものが多く、今ほどコンパクトで軽いものが多くなかった気がしますし、何が必要で何が不要かもよく分からなかったので、とにかく食料も多く持っていくし、着替えも多く持って行くし、余計なものも多く持って行ってました。

そのため、楽しく歩きたいのに登りも下りも苦痛みたいな時があり、これはどうにかしたいなと思い、今のスタイルに近づいていきました。

今ではめちゃくちゃ快適に登山が楽しめてます。

もちろんキツイ場所やルートに行けば、ちゃんときついですが 笑

後ほど僕のテント泊の時に持っていく物と、本当に40Lにパッキングできるのか、どの程度の重量になるのか一例として紹介するので、少しでも参考になると嬉しいです。

 

ゴッサマーギア ゴリラの特徴・オススメな点

安定した背負い心地

まずはこれです。

いくら軽くてもここがダメだと使っていて辛い思いをしてしまうし、せっかく買っても使いたくなくなりますもんね。

 

カーブしたアルミステーによる高いフィット感

引用元:Hiker’s Depot サイト

この軽量ながらしっかりした安定感のフレームのおかげなのか、10kg以上の重量になってもふらつかず、しっかりした安定感があります。

これは3年使った今でもしっかり機能していて、買った当初と比べても安定感は変わりません。

 

 

ショルダー、ウェストハーネスは厚みがしっかりとしています。

従来幅は広めですが、カーブが付き、柔らかな素材のため多くの人に心地よくフィットするようになりました。

裏側には汗ぬけの良い「3D Air Mesh」を採用しています。

3D Air Meshは、耐久性も高く、汗だまり、保水も防ぎ、通気性も高いことから、臭いの発生も抑えられる良さがあります。

使われなくなった理由は重さです。良い素材ではあったのですが、重いために真っ先に軽量化の対象となっていました。

ところが生地変更にともない全体に軽量化できたことで、より良い素材をショルダー、 ウェストハーネスの両方に使うことが可能になりました。

確かにこれが原因で、総重量の増加には繋がってしまったけれども、今まで以上の高いフィット感を手に入れることになったのです。

引用元:Hiker’s Depot

バルトロを使用していたときは重量が13〜15kgあったせいか、肩への食い込みが強く、血行が悪くなり、体調が悪い事が頻繁にありましたが、ゴリラにしてからはほとんどなくなりました。

ザック自体が軽いので腰の後ろで手を組む形でザックを少し持ち上げながらしばらく歩く事もできるので、肩や腰への負担がずっとかかり続けるという事は防げています。

高山病だと思っていた頭痛もほぼ出なくなったので、個人的にかなり驚きでした。

 

3D Air Meshの厚さはショルダーパッド、ウエスト共に1.5cmあります。

個人的には厚すぎず、薄すぎずちょうど良い厚さと思います。

肩は重さが1番のるので、まったく蒸れない訳ではないですが、不快という事もないです。

3年使った今もへたっておらず、保水や臭いがするという事もなく、快適に使えています。

 

ウエストパッド部分の幅は12cmと、腰に荷重をかけて背負う場合も十分な幅です。

 

 

ちなみにウエストベルトはマジックテープで固定されているので、外せます。

腰に荷重をかけて持たない人は外してもいいかもですね。

僕はウエストのポケットにスマホや日焼け止め、コンパスなど出し入れをすぐにしたいものを入れておきたいので外してません。

マジックテープで固定とはいえ、もちろん背負っていて動いたり、外れたりといったことは今までありません。

 

軽い

ザックの総重量:863g / Mサイズ
本体:514g
ウエストベルト:200g
フレーム:84g
SitPad:65g

 

同じ土俵にしたらいけないのかもですが、バルトロ65L  2230gなので、1367g軽いです。

登山道具で1.3kg軽くするのはかなり大変です。

ウルトラライト系のザックの中では、トップクラスに軽いわけではないですが、機能面、耐久性とのバランスを考えると許容範囲の重量だと思います。

軽いとテント泊装備でも◯◯キレットみたいな難しい岩場でもバランス崩しにくく、比較的楽に通過する助けになります。

画像はテント泊装備で行った時の不帰キレット

 

自由度の高い使いやすさ

容量は本体と前面メッシュポケット合わせて45Lとなってますが、実際は50L以上入れられそうな作り。

吹き流し部分で調整できるので、25〜30Lくらいの少ない容量でも雨蓋部分がふらついたり、ザックの形が変になることもないです。

色々なポケットや機能が個々の使い方や用途によって、自由にアレンジして使えるのもオススメな点。

 

・交換可能な背面パッド

ゴッサマーギアのバックパックは他メーカーにはないオリジナリティあふれる機能が盛りだくさんですが、その中でも大きな特徴といえるのが、背面パッドが外側からアクセスできて、簡単に入れ替えられることです。

通常のオプションとしては「SitLight pad」が付属しています。

これ自体も座布団としての使い方はもちろん、就寝時のプラスワンのパッドとして使えます。

引用元:Hiker’s Depot サイト

 

僕は80cmにカットしたZライトソルか、山と道U.L.Pad100cmを持っていき、足元にはこの背面パッドを敷いて寝ています。

購入してからずっと交換せず使ってますが、加水分解などもせずに問題なく使えています。

・ペットボトル2本入る大きめのサイドポケット

他にも片方でペットボトル500ml 2本入る大きめのサイドポケット。

こんな感じで水筒+駅や小屋で買ったペットボトルなどを入れたり、テントポール、タオルなどを入れておく事が多いです。

 

・大型のフロントメッシュポケット

すぐに着脱したい防寒具や行動食をメインに入れています。

ザック本体から出し入れしなくて良いので便利です。

ポケット口にはしっかりしたテンションのゴムがあるので、荷物を入れた状態で歩いていて飛び出すという事は今までありません。

僕はバンジーコードをフロントメッシュポケット脇のループに通して使用してます。

メッシュポケットに物を多く入れると下の方に寄ってしまって、下部分だけが膨らんで見えてちょっと不格好になる事があるので。

 

・取外し可能なウエストベルトとポケット

パッドの厚さを紹介する時に書きましたが、ウエストベルトは取り外し可能です。

ウエストベルトのポケットは幅 19cm×高さ15cmほどあるので、スマホや手袋、サングラスなどを入れておくことも可能です。

 

・ピッケル、ストックホルダー

ストックはサイドポケットに入れようと思えば入りますが、ピッケルはそうはいかないので冬季や残雪期にも山に行きたい僕にとっては結構助かります。

今は行くつもりがなくても、今後行きたいってなった時にも対応できます。

 

冬の平標山には日帰りでしたがゴリラ40でストックとピッケル両方持って行きました。

 

・吹き流し部分に大きめのポケット

吹き流し部分にファスナー開きの大きめのポケットがあり、地図やマスク、手袋などどこにいったか分からなくなりそうな細かいものをササッと出し入れできるので意外に助かります。

 

 

耐久性が高い

これは使ってみないと分からないですが、3年間ガンガン使ったので見てみましょう。

まず1番ダメージありそうな底部分。

100dn Robic Ripstop Nylon という複雑で高密度に織り込んだ引裂強度のあるナイロン素材を底部・サイドポケット・ウエストポケットに使用しています。

底部分汚くてスミマセン。

ほとんど気にせず岩の上にガンガン置いたり、岩場を登り降りして擦ったことは数知れませんが、破れはもちろん、ほつれもなく全然問題ありません。

 

続いてサイドポケットとウエストポケット。

サイドポケットは特に水筒やテントポールなどを入れたまま、岩にぶつけたりしてますが、こちらも穴やほつれはありませんでした。

 

先程の場所以外のベース生地は、70dn Robic Ripstop Nylonという素材をメインで使用しています。

先程は100デニールなので、底部に使っている生地と比べて30%ほど薄いイメージです。

 

本体とショルダー部分との縫製箇所、上部の折り畳んでバックルに留める箇所、サイドバックルの縫製箇所、負担がかかりそうな場所も特に問題なし。

 

 

 

背負っている時に上部にも枝が刺さったり、岩に擦れたりよくしますが、大手のアウトドアメーカーが出しているザックに比べて弱かったり、ほつれやすかったりという感覚は個人的には全然感じません。

むしろ安心感があります。

 

フロントポケットのメッシュ素材「Darlington Mesh」は一般に普及しているパワーメッシュと比べ強度が高くなっています。

パワーメッシュは4方向ストレッチに対し、ダーリントンメッシュは横方向のみですが伸び率は非常に高く、また長期使用などで紫外線に長く晒されても、パワーメッシュと比べて劣化しにくいという利点もあります。

引用元:Hiker’s Depot サイト

ダーリントンメッシュのおかげなのか、ストレッチ性の劣化やほつれは今の所ありません。

汚れをそのままにしてしまっているので、使用感が出てしまってますが。。

 

 

 

次に細かい各パーツ部分。

フロントポケット、サイドポケットの口はしっかり伸縮のあるゴムなんですが、この部分伸び切ってしまったり、縫製箇所が外れたりしやすいのですが、全然問題なしです。

少しも劣化してません。

これにはちょっと驚きです。

OMMのCLASSIC 25Lも同じような仕様なんですが、そちらは縫製箇所が外れていてゴムもやや劣化してしまってます。

 

サイドポケットの上に付いている小さなバックル。

これ使っていくとすぐに割れるのでは、、、と思ってましたが、何の問題もなく使えてます。

華奢なんですが、通常のプラスチックよりやや弾力があるような感じで、意外と丈夫です。

 

 

バックルで一番強めにテンションかける、トップクロージング部分のバックル部分もしっかりカンヌキ止めで縫製されていて、まったく問題ありません。

 

 

細かい部分ですが、意外に丈夫でびっくりしたのが、ウエストベルトの余ったベルトを通しておくゴムの部分。

こういう細かい箇所はあまりこだわれてなく、汗や雨で劣化して早めに伸び切ってしまう事が多いのですが、これは3年経過した今も劣化せずに使えています。

こういう細かい箇所に問題がないと、色々な事も考え抜いて作られてるんだなと安心します。

 

パッキング例

恐縮ですが、僕のパッキング例を紹介させてもらいます。

冬以外のスリーシーズン、森林限界下、2泊3日を想定してます。

2泊が3泊になっても食料が増えるだけで他は基本的に変わりません。

 

マット外付けはせずに、ザックの中に筒状に入れることが多いです。

 

すべてパッキングするとこんな感じ。

まだまだ余裕ありヘルメットや防寒具を入れることも全然可能です。

感覚的には50L分くらいは入りそうな感じです。

 

 

ゴリラのイマイチな点

お次は3年使ってみて個人的にここ改善して欲しいなーと思うイマイチな点です。

 

背中が暑くなる

背中にマットが入っているからか、僕が汗っかきだからか夏は背中に結構汗かきます。

夏はどんなザックでも暑いのではという気もしますが、これはちょっと気になってしまいます。

腰の後ろで手を組んでザックを少し持ち上げるようにして、背中に密着しないようにしたり、虫除けのハッカスプレーを背中部分にシュッシュッとしてスースーさせて涼しくしたりして対処してます。

逆に夏以外はそこまで気にならないです。

マットを通気性の良いものに変えれば改善されるのかもしれませんが、面倒でまだ試してません 笑

オススメの方法あれば教えて下さい。

 

吹き流しのポケットに重いものを入れると出し入れしにくい

吹き流し部分が長いので、吹き流しのポケットに重いものを入れると本体から少し荷物の出し入れがしにくいです。。

逆を言えば吹き流しが長い分たくさんの荷物を入れることも可能ですが、僕の最近のメインの夏1〜2泊だと荷物が少ないので、もっと短くても良かったかなと思ってます。

冬のテント泊やもっと長期の縦走だとこれくらいあって良かったと思うかもですが。

約30cmあります。

 

吹き流しのポケットにモバイルバッテリーなど重めのものを入れると、吹き流し部分が倒れてしまって出し入れがしにくくなるので、このポケットにはマスクや地図など軽いもの限定で入れるようにしてます。

まとめ

ゴッサマーギアのザックゴリラ40のレビューを書かせてもらいました。

色々と書かせてもらいましたが、総評するとバランスの良いかなり使い勝手の良いオススメなザックです!!

少しでも購入検討時の参考になると嬉しいです。

 

オススメな点
  • 安定した背負い心地
  • 軽い(863g)
  • 自由度の高い使いやすさ
  • 耐久性が高い
イマイチな点
  • 背中が暑くなる
  • 吹き流しのポケットに重いものを入れると出し入れしにくい

 

 

良かったらぜひ検討してみてください!

 

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