以前色々なスタイルに合うオススメ登山道具10選を紹介してみましたが、今回はよりニッチな冬山で使える登山道具を紹介してみようと思います。
オススメ登山道具10選記事はこちら👇
【7年以上使用】オススメ登山道具10選!!冬山で使える登山道具といっても、登山靴やアイゼン、シュラフなどのメインどころは、比べられるほど色々な種類を買ってないし、年月が経つと最新の良いものが次々に出てくるので今回は省いてます。
できるだけ年月が経っても使い続けられるもの、実際に自分で使用してちょっと良いな、あると便利だなと思ったものをチョイスしてみました。
実際に冬山を何度も登ったり、テント泊を経験して良いな、必要だなと思ったものなので、ガイドブックに必ず必要と書かれているものとはちょっと違うものもあると思いますが、これから冬山を始めてみたい人、冬山を始めたばかりの人に少しでも参考になるとうれしいです。
- 日帰りから冬山を始めてみたい人
- 冬山のテント泊に挑戦してみたい人
- 登山靴、ウェア、アイゼンなどのメインどころは揃ったけど、他に何かあった方が良いものがあれば知りたい
- 年月が経っても使い続けれる冬向け登山道具が知りたい
目次
①ハクキンカイロ
1発目はハクキンカイロ!
ワタクシ冬山登山を始めるまでコレの存在自体知りませんでした。
約10年前に欲しくなって、登山用品店で探してみましたが見つけきれず、なぜか旅行で行った韓国の登山用品店で見つけて買いました。
簡単に言うと燃料(ベンジン)補充して使う強力なホッカイロみたいな感じです。
氷点下になるような冬山行くと、通常のホッカイロだとまったく機能しなくなるんですよね。
スマホやデジカメなんかも山頂で写真を撮ろうとすると、寒さでバッテリーがやられてすぐに0%になることがあるのですが、このハクキンカイロと一緒に胸ポケットなんかに入れておくと、スマホやカメラのバッテリーなども復活させられるし、もちろん暖かいです。
ハクキンカイロのオススメな点
・氷点下でも長時間暖かい
熱量(カロリー)は使い捨てカイロの約13倍。
発熱温度も一定していますので、
寒冷地や冬の野外のレジャー時に非常に威力を発揮します。
一方で、熱量消費はほんのわずか。
たった25ccのべンジンで最大約24時間保温できる低燃費です。
初めて使った時は、登山に行って自宅に帰ってきてもまだ温かくてびっくりした事があります。
テント泊で冬山行くと夜は氷点下10〜15度くらいになっても暖かいのでほんと頼りになります。
大きい方(ジャイアント)は最大30時間暖かさが続きます。
・繰り返し使える
使い捨てカイロと違って、何度も使えるのでサステーナブルだし、経済的。
日帰り想定で12時間使用して約30円(12cc)、24時間使用して約60円(25cc)。
(専用ベンジンは500ml 1200円(2.4円/ml で計算)
・軽い
通常のサイズで78g(付属の袋込み)、大きい方(ジャイアント)で103g(付属の袋込み)なので、ポケットに入れておいても気にならない重量です。
ハクキンカイロのイマイチな点
・使い方がちょっと面倒
使うまでにちょっとひと手間必要です。
ベンジンを入れて、使い始めるときにライターやマッチでプラチナ触媒部分に火を当てると徐々に暖かくなってきます。
スイッチなどはありません。
1度火を当てると中に入れたベンジンを使い切るまで、暖かいままなので補充用のベンジンを持ち歩かない場合は、火を当てるタイミング少し計算する必要があります。
自分が使う時は、ベンジン持ち歩くのが面倒だったので、ハクキンカイロに満タンに入れて、日帰りの時は自宅を出る時に火を当てて、テント泊の時は一番寒いテント場に到着して日が落ちた頃に火を当てるようにしてました。
ハクキンカイロのオフィシャルサイトで使い方動画があったので、張っておきます。(1分程度です)
- 氷点下でも長時間暖かい
- 繰り返し使える
- 軽い
使い方がちょっと面倒
専用燃料(ベンジン)
②マッチ・ライター(フリント式)
お次は登山道具ではないですが、マッチとライター(フリント式)です。
冬山の氷点下くらい寒いとガスバーナーの着火装置や電子式ライターだと点かない事があるって知ってましたか??
ワタクシは知らずにガスバーナーが着火できずにめちゃくちゃ焦った事があります。
冬山で泊まりでガスバーナー点かないと生死に関わりますからね、、。
その時はたまたま持っていたマッチでガスバーナーに点火する事が出来て助けられましたが。
個人的な経験上、冬山でガスバーナーの着火装置や電子式(カチッと押すタイプ)のライターが使えたことがないです。
天気の良い低山では、ライター(フリント式)は使えるかもですが、氷点下になるとまず使えなくなります。
気圧が低いのと、気温が低い事が影響して使えなくなってしまうようです。
擦って着火させるマッチはどんな低温でも森林限界上でも点かなかった事はないです。
マッチがこんなに頼れるやつだとは思いませんでした。。
冬山でガスバーナーを使う際は念のためマッチを忘れないようにしましょう〜。
③THERMOS(サーモス) 山専用ボトル
7年くらい前に買ったので、画像はボロボロ&デザインがちょっと違いますがサーモス山専用ボトルです。
冬山行くときにこれに温かいスポドリ入れて、寒い中飲むのがワタクシ大好きです。
寒いとおにぎりなどはキンキンに冷えて食べたくなくなるので、菓子パンや蒸しパンなど冷えても固くならず、美味しく食べれるものと温かいスポドリをサーモス山専用ボトルに入れて持っていくのが定番でした。
バーナーでお湯を沸かすのが面倒な時は、カップラーメン食べるために熱湯を入れていくのもアリですね。
THERMOS 山専用ボトルのオススメな点
・保温力・保冷力が高い
まずはやはりこれ。
熱湯を入れて6時間後でも80度をキープ(メーカー発表)出来るという高い保温力が魅力です。
朝熱湯入れて夕方くらいまでは温かい飲み物が飲めるのはありがたいです。
その時の気温にもよりますが、朝入れて昼くらいの時間であればカップラーメンを食べることも可能です。
保冷力は4度以下の水を入れて20度±2度 の状態で、6時間後で9度以下をキープできます。
・アウターグローブした状態でも扱いやすい
氷点下の冬山で水分補給をするためにアウターグローブを外すと、もちろん寒くて指が痛くなるし、雪が付着して濡れてしまったり、外したグローブを紛失してしまうリスクがあるので、できるだけアウターグローブを外さず水分補給できると助かります。
ザックから取り出す時シリコーン製のバンドがボトルが付いているので、滑らず持ちやすく、コップへ注ぎやすい。
山専用ボトルはコップに大きめの凹凸があり、アウターグローブをしていてもコップを外しやい。
注ぐときにスクリューせんを少し回す必要があるのですが、そこもグローブしていてももちろん握りやすいので、取り出す時、コップを外す時、スクリューせんを外して注ぐときまで、グローブをしたまま可能です。
・軽い
500ml :280g
750ml:360g
900ml:390g
他メーカーのステンレスボトルは500mlで300g超えるものが多いので、高い保温性、シリコーン製バンド、底カバー含めてもそれより軽いのはすごいです。
THERMOS 山専用ボトルのイマイチな点
・900ml は大きすぎた
完全に個人的な感覚ですが、大きい方がいいだろうと思い900ml を買いましたが、ただ水分補給をするためだったら、500mlか750ml でいいと思います。
カップラーメンを2人分の熱湯を入れて持ち歩きたいとか、明確な使い道があれば900mlがいいと思いますが。
ちなみに900ml で直径7.5cm、高さ29cm あります。
持つとこんな感じ
- 保温力・保冷力が高い
- アウターグローブした状態でも扱いやすい
- 軽い
- 900ml は大きすぎた(個人的な失敗)
500ml
750lml
④LOKSAK(ロックサック) チャック付き防水ケース
お次はコレ。
冬限定ではないですが、冬の方が雪がいつの間にかポケットの中に入っていたり、雪の付着した手袋でそのまま触ってしまったり、自分の発汗による湿気で濡れてしまったり、意外に濡らしてしまうことが多いです。
ワタクシはスマホやデジカメを濡らして故障させてしまい、下山後家族に連絡が取れなくなってめちゃくちゃ怒られた事があるので、冬山行く際のスマホやデジカメはコレに入れていくことをオススメします。
LOKSAK(ロックサック)とは?
再封可能で柔軟なロックサックの保管ケースは、電子機器をはじめ、貴重品を空気、湿気、水、ほこり、砂など(IPX8規格)から守ります。また、安全に輸送・保管するための基準をクリアするロックサックのケースは、ミリタリーグレードの信頼性があり、米国軍をはじめ、世界中の多くの政府機関や法執行機関など多くの公的機関で利用されています。
・60メートル防水(IPX8規格)
・-40度まで硬化せず柔らかく保ちます。
・入れたままタッチパネル利用可能、音楽や動画も利用可能
・電子機器だけではなく、薬、鍵、お金、地図など濡れたら困るものは何でも。
・やや厚手のビニールなのでかさばらない
ケンコー社(輸入代理店)サイトから引用
スマホが入るXSサイズ(外寸:184×114、内寸:153×105)で1枚400円とちょっと高級品なので、スマホやカメラはロックサックに入れて、他の薬や鍵、食品などは、ジップロックに入れて持ち歩くことが多いです。
スマホが入るXSサイズ 👇(外寸:184×114、内寸:153×105)
⑤ウールのインナーたち
急にざっくりになりましたが、1点1点というより上下インナー、ネックウォーマー、ウールインナーグローブ、どれも大事でオススメなので、まとめて紹介させていただきます。
初めはウールのインナーはチクチクしそうだし、値段も高いからちょっと敬遠してたんですよね。
今までポリエステル、アクリル、ナイロン、など色々な素材のインナーやグローブを試してきましたが、冬に汗などで濡れても暖かさが保てて、動いてない時の保温性はウールが1番高いです。
冬山でテント設営・撤収時にアウターグローブなど厚手のものを装着していると作業がしづらいけど、外すと手の感覚がなくなるというときでも薄手のウールインナーグローブをしていれば、指先の感覚は残しつつしっかり暖かさも感じる事ができて、細かい作業もしやすいので、やっぱりウールがいいなとそこに落ち着きました。
◯ートテックなど合繊系の機能性インナーと比べると、ドライな時はそこまで差を感じないのですが、汗などで濡れて身体が冷えてしまった時、行動してない時に大きな差を感じます。
冬山は晴れている時に登っているとかなり暑くなり汗をかいてしまう事が多く、天気が悪くなったり、山頂など風が強いところに出ると急に冷えてしまうことが多いです。
冬山での体温差が他の季節に比べて非常に高いのですが、その時の体の冷えすぎや暑くなりすぎる(蒸れてしまう)のを極力抑えてくれるのが、ウールインナーの素晴らしいところです。
ウールインナーたちのオススメな点
・暖かさと冷えにくさが両立できる
ウールの繊維表面にあるスケール(うろこ状の組織)とウールが持つ油分は水を弾き、内部は湿気を吸収する性質があります。
そのため汗をかいても冷えを感じにくく、内部に取り込んだ湿気をゆっくりと外に逃がして気化させるため、急激な汗冷えを防ぐことができます。
冷えた身体にウールのインナーを着ると、着てすぐに体温が上がる感覚があり、さすがウールだなーと違いを特に感じる事が出来ます。
だから昔の登山家はウールのセーターやソックスを重たくても着ていたんですね。
もちろんめちゃくちゃなスピードで行動して、汗を大量にかくと冷えることもありますので、動き方やレイヤードは汗をかきにくくなるような工夫をすることも必要だと思います。
・蒸れない、匂わない
ウールには、天然の調温、調湿(吸湿放湿)機能があります。
湿度が高い時は放湿し、湿度が低い時には吸湿・保温し、快適な状態に保つ機能です。
モコモコの羊さんが身を守るための天然の機能です。
そのため、インナー内が蒸れてくると放湿し、冷えてくると吸湿し保温して快適な湿度に保ってくれるため、行動中は過度に蒸れる事を抑えてくれて、止まって休憩する時などは汗冷えを抑えてくれます。
ウールのもうひとつの天然の機能として抗菌防臭性があります。
ウールは構造上、繊維の表面に水分が残りにくいため、臭いの原因となるバクテリアや菌の繁殖も起きづらいのです。
また、ある種の臭い成分を繊維内部に吸着する働きもあります。
そのため汗をかいてもウール素材は汗臭さが発生しにくく、登山後にバスや電車に乗っても匂いを気にしすぎる心配はなくなります。
長年着たインナーを臭ってみましたが、たしかに匂いませんでした 笑
・汗を大量にかいても重たくならない
上記で書きましたが、ウールの繊維表面にあるスケール(うろこ状の組織)とウールが持つ油分は水や汗を弾くため、仮に汗を大量にかいてしまっても繊維自体が大量に汗を吸うことがないので、ポリエステルのように汗を吸って重たく不快になることはありません。
そのため、汗を大量にかいてもタオルなどで拭き取れば、冷えを感じにくいだけでなく、軽い着心地をキープしつつ、また少しづつ快適な着用感も戻ってきます。
この感覚はポリエステルなどの化繊では感じにくい、ウール自身が呼吸しているようなウール独特の感覚です。
ウールインナーたちのイマイチな点
・人によってはチクチクが気になる
ワタクシはかなり敏感肌の方なんですが、モンベルで使用しているエクストラファインメリノウールのような細い繊維のウールであれば、ほとんど気にならずに着用できますが、ウールって時点で無理というような超敏感肌の方はチクチクが気になってしまうかもです。
ちなみによく言われるウールのチクチク具合は、繊維の細さ(マイクロン)によって変わります。
主にウールには下記の繊維の細さ(マイクロン)の種類があります。
数字が小さいほど細く、チクチクが少ないです。
- ストロングメリノ(23-25マイクロン)
- ミドルメリノ(20-22マイクロン)
- ファインメリノ(20-21マイクロン)
- エクストラファインメリノ(18.5-19.5マイクロン),
- スーパーエクストラファインメリノ(16.5-17.5マイクロン)
ちなみにカシミヤは13〜16マイクロンでさらに細いので、ほとんどチクチクしないんですね。
私が着用している各メーカーのウールの繊維の細さは下記のような感じです。
モンベルやアイスブレーカーはお値段はしますが、気になる方はエクストラファインメリノ(18.5マイクロン)を使用しているものを選んだ方がいいかもですね。
- モンベルスーパーメリノウールシリーズ:エクストラファインメリノ(18.5マイクロン)
- アイスブレイカー200 オアシスグローブライナー:不明 (多分18.5マイクロン)
- ワークマンメリノウールシリーズ:不明 (たぶん19.5マイクロン)
- 暖かさと冷えにくさが両立できる
- 蒸れない、匂わない
- 汗を大量にかいても重くならない
- 人によってはチクチクが気になる
アイスブレーカー ウールインナーグローブ
アイスブレーカー ウールネックウォーマー
モンベル オンラインサイトリンク先👇
参考 モンベル スーパーメリノウールシリーズモンベル オンラインサイトワークマン オンラインサイトリンク先👇
参考 ワークマン メリノウールシリーズワークマン オンラインサイト
⑥ジョウゴ・ペーパーフィルター
登山道具ではないし、めちゃくちゃ限定的な使い方になっちゃいますが、冬山でテント泊など泊まると水場が凍っている事が多くて、雪を融かして水を確保する事が多いんですよね。
こんな感じで雪を集めて融かすんですが、融かした水をそのまま移し替えると、まあまあな量の木くずやチリ・ゴミが出てくることがあります。
そんな時にこのジョウゴとペーパーフィルターを使って移し替えるときれいな水が確保できます。
2月の八ヶ岳青年小屋、水場は凍っていて出てませんでしたが、雪はいくらでもあります。
ペーパーフィルターは何でもいいんですが、高さが低いものが使いやすと思います。
こんな感じでセットして使ってます。
シリコーン製の折り畳めるジョウゴは100均でもあると思いますが、もうちょっとしっかりしたものが希望の方は👇
ペーパーフィルター
⑦ANKER アンカー モバイルバッテリー
最近の登山ってスマホをはじめ、GPSウォッチ、デジカメなどのデバイス、他にも充電式のヘッデンなど色々な小型家電を持って登山する事が増えてきていると思います。
ワタクシ個人的にもスマホは登山アプリで地図を見たり、緊急時の連絡手段、泊まりの時は映画を見たり、音楽聞いたり、GPSウォッチでペースを測ったり、登山に欠かせなくなっています。
そんな便利な小型家電たちを充電するための頼れるモバイルバッテリーを持ち歩くことも必須になってきている(もうなってる?)と思います。
そんなモバイルバッテリーの中でも5年以上登山で使用していて、おすすめしたいものがANKER (アンカー)のモバイルバッテリーです!
画像に写っているメッシュの袋は、グラナイトギアのジップサックに付いてくる袋です。
モバイルバッテリー入れに使用してます。
画像のものは容量10000mAhで、スマホで2回以上フル充電可能なので、日帰り〜1泊であればこれで十分だと思います。
サイズ:高さ9.2cm、幅6cm、厚さ2.2cm
重量:180g
4期連続ベストセラー1位:日本、アメリカ等の世界各国で累計3000万台以上を販売しているロングセラー製品です。日本では、Amazonランキング大賞 2017 (上半期) ~2018(年間)までの4期連続で【バッテリー・充電器】部門のベストセラー1位を受賞。
ワタクシこのアンカーのモバイルバッテリー気に入りすぎて、容量違いで3個ほど持ってますが、安いし、壊れにくいし、問題なく使えているのでよく売れている理由がよく分かります。
今回は実際に冬山で使用してみて、オススメできる登山道具?を7点紹介してみました!
冬の登山道具というとアイゼン、ウェア、シュラフ、ピッケルなどを紹介するもんだと思いますが、そんな高価な品を比較できるほどたくさん試したことないので、そういった大物はちゃんとした比較サイトでご確認ください 笑
小物ばっかりでしたが、ちょっとでも参考になると嬉しいです!
最後まで読んで頂きありがとうございます!!